2005年10月12日

雨あがる

この映画の主題は「才能にめぐられるも、その生き方で社会の制度に順応しきれない」

寺尾聡には、はまり役で脇に同じ系統の吉岡秀隆がいるのも心強い。
主人公は、腕の立つ武士でありながら「優しい気遣い」の持ち主で、それが逆に人を傷つける。
ある殿は、この男のたんたんと話す生い立ちに興味を示し指南役で雇おうとする。
がしかし、彼はその殿にも「優しい気遣い」で傷つけてしまう。

そんな主人公でも貧しいものたちにとっては、親切で暖かい人なのである。
世に出て強欲に生きようとする者にはいやみでも、日々生きていくだけの人たちには立派な武士なのである。
最後にその生き方が、決して悪いものじゃないと気づくのだけど。。。

主人公の妻(宮崎美子)がはっきりしない。
彼女は良人の生き様の最大の理解者として物語の進行に重要な役柄なのだ。
でも描かれてるのは終盤にさしかかった頃で、それまでは無口で優しいあまり表情のない役柄だった。
かといって良人の理解者なのかも科白だけではわからない。

彼女が最初から「あなたには、似合った生き方があるのよ。」
それは、人を大切に思う気持ち。
ずっとそういう気持ちをしまいこんで
「わからない人はとうへんぼく。」と言ってくれたらわかりやすいのに、

殿様は、早馬でその夫婦を追いかける。
「とうへんぼく」にならないために、ここで映画は終わる。
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2005年10月06日

チャン・イーモウの「初恋の来た道」

緩やかな山並み、木々はそれぞれがおおらかな間隔を持って立っている。
秋の紅葉は、むしろ自然な黄が強く暖かく感じる。  

この映画は殆どこの土地を離れることなく一人の少女の初恋を描いていく。
新鮮に思えるくらい他人が関わってこない。
すべてがツァン・ツィイー。

彼女はたくさん着込んで肘も曲がらない。
それでも走り回る、駆け巡る。
町から来た若い先生を追いかける。

気持ちが通じて(あんなに可愛けりゃね)先生が彼女の家に来る。
プレゼント渡そうとして彼女を呼ぶシーンが大好き。
先生は肘を伸ばしたまま手首を振り、彼女においでおいでする。
見たことのない動作に感動した。
是非真似たいと思った。

見ててゴールズワージの「林檎の木」を思い出した。
しかし、この映画は悲恋ではない。
ちゃんと結ばれるのである。

優しい気持ちのいい映画。
同じ監督の「英雄」よりずっとこころに残るよ。
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2005年09月27日

真夜中のカーボーイ

20数年前に見て「これから先、これを超える作品に出会う事はないだろう」
なんていきがってたけど、今見たらどうだろう?
何回かビデオ屋で躊躇したけど、結局借りることはできない。
妙に気合が入ってないと見れないような気がする。

ダスティン・ホフマン、ジョン・ボイド主演なんだけど
ちょっとホモっ気が入ってるかもしれない。
当時はそのホモっ気が何たるか知らないまま見てたから
涙も出たのだろう。

真っ白のスクリーンから始まって、ニルソンの「エブリバディ トーキン」が流れる。
それからグングンと男の友情に引き込まれていく。
すごい映画だった。

ただ、そのあと「真夜中」つながりで「真夜中のパーティ」ってのも見てしまった。
これは、一度っきりしか見てないが面白かった。
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2005年09月23日

シェルブールの雨傘

明日はバーベキューの予定なのにこの天気?J
沈みがちな気持ちで古い映画のスレッドへ

「シェルブールの雨傘」この映画は、小学生だった頃上映されていて
タイトルがロマンチックで大人になったら見たい映画の一つにリストアップしてた。

テレビで見たのを含めて2,3回は見てる。

この映画、いきなりセリフが曲なんです。歌いながら演技するんです。
最初はどこかで普通に戻る思ってたんやけど、最後まで突っ走って…
でも好きな映画だった。

傘屋の娘と自動車整備工の恋なんやけど
あの当時フランスはアルジェリア紛争なんかあって、彼は出兵するのね。
残された彼女に言い寄ってくる金持ちおじさんがいて、傘屋のママは
「あんな男は忘れて、お金持ちおじさんといっしょになりなさい」とうるさくせまる。

で最後のネタばらしやけど、彼の経営するガソリンスタンドに彼女の運転する車が入ってくる。
外は、雪が降ってる。
彼女はガソリンスタンドの中に入る「ここは暖かいわね」
未練っぽい言葉で終わる。

主演はカトリーヌ・ドヌーブ、ニーノ・カステルヌォーボ。
ニーノの方なんだけどその後パッとせずマカロニウェスタンなんか出てて
すごい気持ち悪い悪役なんかやってた。
ドヌーブをじっと見つめて「幾千の夏を過ごしても、ぼくは君を愛し続ける」なあんて歌ってた彼のうらぶれ様は、かっての美男を知る者を奈落に落とすかのようだ。

このあと調子づいたスタッフは「ロシュフォールの恋人たち」というこれまたタイトルで騙そうとした映画を撮る。
だが、残念ながら駄作だった。
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2005年09月18日

天国の本屋 恋火

同じ作者の二つの小説「天国の本屋」と「恋火」を上手に紡いで仕上げた映画
映画は恋火を中心にストリーが進む。

天国には、現世において何らかの悔いを遺してきたままの人がいる。
同時に現世に生きる者もまた悔いを引きずって生きている。

同じ思いの者が、同じ次元で会えることが出来たなら
未来において生きて行く大きな勇気になっていく…

一人の若いピアニストがリストラされ、打ち沈んでいるところから
この映画は始まる。

ピアニストは目が覚めると今まで見たことのない情景に出くわす
天国であることを教えられる。
そしてそこは本屋。

本屋では読んでもらいたい本を持って客がやってくる。
ピアニストは美しい女が持ってきた本を朗読する。
その詩集には音譜がかいてあった。

彼女は、彼をピアニストに目覚めさせた人であった。

やがて美しい風景の中二人は未完成だった曲を作り始める。
と同時にかって女が愛した花火師がうらぶれて地上にいる。

竹内結子は二役で登場する。
この役柄は彼女にフィットしていた。

中飛ばしするけど、最後に天国と地上で奏でられるピアノ
そして、和火という恋する花火
二つの空間が重なり「永遠」に変わらぬ人としてのぬくもり。

綿密で繊細なシナリオは、わかりやすく二つの世界を往復する。
素敵な映画でした。
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2005年09月16日

CASSHERN

一枚一枚の絵として美しいのだが
2時間もの時間見続けると、辟易としてしまう。

愛と平和を訴えてるのだろうけど、
その目線がいささか高いところにあって
見下ろされてるような気がした。

ストリーは原作を読んでないからわからないけど
人造人間が急に強くなってく件は、たぶん原作によるものだろう。

映像もそうなんだけど重々しく美しいんだけど
ストレートばっかりで変化球がない。
見終わって思うのは味付け不足って感じかな。
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2005年09月14日

カンフーハッスル

「少林寺サッカー」で人気を集めたチャウ・シンチーの作品。
面白さでは前作の方が上か?
でも、テンポ、バイタリティは相変わらずいい。

格闘シーンでは、ナンセンスなまでの激しさ。
マトリックスをあざ笑うようなシーンもあって楽しい。

シンチーの映画は何度見てもおもしろい、1回目より2回目
たぶん、テンポが良すぎてキャラクターの部分が見直すことよって
気づかされるんだと思う。

古い映画にあったボードビルなコメディ
この人の映画にはいつもそれを感じる。

また見にする機会があったら、もっと楽しめるはず。
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2005年08月25日

B級映画

GEOでレンタルが1本80円!
で息子の借りてきたのを2本見てた。

エイリアンvsプレデター
一粒で2度おいしい。。。2粒で4度おいしくはなかった…

「ドーン・オブ・ザ・デッド」
吸血鬼ものなんだけど、どこで感染したのか分からないまま
いきなり、街中が吸血鬼だらけになっちゃって、むしろゾンビーって感じ
感染してない人間がマーケットの中に避難して救助を待つんだけど
最後まで助けにきてはくれない。
ドンパチすることで友情、恋愛がからんできてそれなりに面白い。
ただね…アメリカっぽいというか
しつこいまでの殺戮シーン、ゾンビーだからありと思ってるんだろうけど

もっと命を大切にしろ!と言いたくなる。
マイナーな映画ってそんなモラルは置き去りにされるんだろうか?

見終わって、ビデオのせいじゃないけど、ますます夏バテがきつくなってきた。
食欲はないし、熱っぽいし、今日はもう寝る。
posted by sunny at 23:17| 石川 ????| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月01日

8月だけどセブン

「とうさん、このビデオ見る?」
「いつまでの?」
「8月入って返せばいいがや。明日から高山行くから見るなら返しといて」
「どんな映画?」
「セブンとスターウォーズ2」
「セブンってブラピーとケビン・スペイシー出てるやつか?」
「黒人のじいさんとブラッド・ピット出てた。気持ち悪い映画やった」
「見るわ」

結果、以前テレビでケビン・スペイシーが自首するあたりから見てた。
なぜか知らんけど最後だけしっかり覚えてた。

ただね、この犯人役はすごい。自首しない限り捕獲できない。
「フレンチ・コネクション」なんかだと、パワフルな刑事(ジーン・ハックマン)がいて犯人を追いつめるんだけど、犯人像みたいものが組織から浮かび上がってくる。
今回のそれはFBIとの裏取引で犯人を探りだす。

で、ここで犯人を捕まえてしまえばなんか物足りない。
なぜって?この暗くて重い映画には単純に終わっちゃいけない足かせがあって
最後はブラピーを壊してしまう。

なぜこの犯人がすごいか?
僅かラスト20分程度の出番で
ブラピー、モーガン・フリーマンを席捲しまくる迫力!
知性、そして異常さ
アメリカンビューティ」でも凄かったけど
ありきたりのおっさん顔がかえって油断できないね。
posted by sunny at 18:35| 石川 ????| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年05月06日

男のくせして…

深夜の映画枠で「フルモンティ」やってて、
のんびり横になりながら見てた。

これって。「ウォーターボーイズ」に似てるよ。
シュチュエーションが同じやん。
そう思いだすと「シャルウィダンス」「しこふんじゃった」なんかもと思ってしまう。

そう、男のくせして「そんなことできるか?」をユーモラスに描く
これがヒットの秘訣だったのだ。

じゃあ、今度は何か?
新体操、お裁縫、家庭料理、洗濯
なんかだんだんと家庭的になってくる。
ともかく、逆を狙っていけばユーモラスはついてくるんだ。

そんこと考えながら最後まで見てしまった。
posted by sunny at 11:44| 石川 ?J| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年05月02日

夏解

珍しく誰にも邪魔されずにしっかりと見た。
小学校教師の主人公がベーチェット病にかかり、その病を自分の人生に受け入れるまでを描いた恋愛映画である。

生きていく過程で、時として受け入れにくい課題を与えられることがある。
その課題は、強引なまでに受け入れを押し付けてくる。
傲慢な敵は、人に行という迷いに似た体験を与え、平常という普通へと導く。

病む過程は、主人公に徐々に恐怖を与える。
乗り越えることは出来ず、受け入れるまでの行で、彼は自分の存在が惨めに思ってしまう。
さらに、主人公を取り巻く家族、恋人、友人すべてがいい人たちで描かれている。
そういう中で、自分という異分子が彼らに不幸が及ぶように思い自虐的になる。

完全に病に冒された自分の薄暮の世界に恋人の存在が映るシーンが最後で映画は終わる。

百日紅は紅だけじゃなくて、白いものもある。
行は終わり、白いものの世界に入っていく。

夏解、人生において何度も存在するものかもしれない。
一つの行が終わり、また違うものが与えられ夏解し、繰り返すように幼子のように人は道を歩いてるのかもしれない。
posted by sunny at 13:58| 石川 ????| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする