30年ほど前、千駄木に骨董屋があった。
一度っきりの記憶で曖昧なのだが、坂を下りた広い通りにあったと思う。
たくさんのそば猪口が並んでた。
骨董には興味もなく、ただ従姉に会いに行っただけの記憶。
先日、一冊の本が送られてきた。
従兄の書いた本だった。
その従兄は高校まで金沢にいたのだが、年も離れてたのでこちらにいたときの記憶が僕にはない。
ただ、受験で上京したとき親父は従兄のアパートに世話になれと言い。
一週間ほど泊めてもらった。
その後、在京時その伯父家族の人たちと係わり、ちょっと場違いながら兄弟みたいにしてた。
この本の中で祖母について書かれている。
祖母は富山の人で「し」の発音がうまく言えず、「す」と呼んだ。
幼児のころ、お祭りに遊びに行くと優しく「すげきちゃん」と呼んでくれた。
僕にはその優しい祖母の記憶がほとんどなかった。
この本には、まったく違った祖母が描かれている。
従兄の生き方に大きく影響を残した強い女性としてだ。
この本から、祭りのとき食べた「えびす」従姉にとってもらった金魚。
フラッシュバックのように駆け巡った。




